教員紹介

池田 吉史 准教授/特別ニーズ教育分野

自己紹介

知的障害・発達障害の心理学を専門としています。学部の主な担当科目は「知的障害の心理・生理・病理」と「重複障害教育総論」です。私が特別支援教育に関心を抱くようになったのは、学部生の頃でした。当時は、異文化に関心があり、東南アジアの国であるミャンマーの文化について勉強していました。その国の人々の考え方をもっと深く理解したいと思い、実際に何度か現地を訪れたこともあります。その訪問の中である孤児院の支援も行っていましたが、募金や物資による支援が中心で、もちろんそれも大切なことだと信じていましたが、果たしてこのような支援だけで子どもたちの将来のためになるのだろうかと疑問を持つようになりました。その時に感じたのは、子どもたちが大きくなったときに自立して生活が送れるように、必要なことを学ぶことのできる機会を作ることが重要なのではないかということです。また、子どもたちの中には、今思えば知的障害があったために、活動にうまく取り組めなかったり、自分の意思をうまく伝えられなかったりする子どもたちがおり、そうした子どもたちに対して自分に何かできることはないかという思いになったことから私の特別支援教育への道が始まりました。


メッセージ

知的障害や発達障害のある子どもと触れてみて感じるのは、彼らが優れた一面を持ち合わせているということです。とても社交的で優しい気持ちを持った子どももいれば、記憶力に優れた子どももいます。問題だと感じるのは、優れた点も含めて自分の能力を発揮する方法を知らない子どもたちが多いということです。もちろん自分の能力を発揮することも能力の一つと言えますが、それが私の研究テーマの一つである「実行機能」です。実行機能という観点から、環境をどのように整え、周囲の人たちがどのように関わっていけば、子どもたちが能力を発揮して、自分の生活を自分でコントロールしているという意識を持つことができるようになるか、それによって自信に満ちた生活を送ることができるようになるかを考えるのが、私たちが研究室で取り組んでいることです。皆さんと一緒に特別支援教育について学びを深め、さまざまな研究を通して視野を広げられることを楽しみにしています。

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